2018年8月19日日曜日

HF帯モノバンドアンテナを工作

隠れ山小屋で細々と運用している 衰退状態にあるアマチュア無線局で使用するアンテナの工作です。近年アマチュア無線局ではスプリアス規制により無線局の再免許申請が難しくなっています。その意味もあり無線局設備の変更申請によりスプリアス規制に合格した無線局免許が総務省より交付されました。もうしばらくはこの道楽が継続できます。メインの趣味・道楽は自宅での真空管システムによる音楽鑑賞およびアンプなどの工作ですが 隠れ山小屋での無線局設備の工作を記述します。無銭庵 仙人 と申します。趣味・道楽においてお小遣いが目減りしているため 部品レベルまでの工作です。誤解釈・誤記載もあると思いますが参考程度の記述内容とご理解ください。


上図はほぼ完成した 18MHz帯と21MHz帯のツエップ型アンテナをリンク結合してデップメーター・周波数カウンターを接続しての机上同調周波数の調整作業です。アンテナ設置後微調整作業は発生します。

HF帯運用についてはモノバンドアンテナとして帯域ごとのフルサイズ・ダイポールアンテナでの運用です。アマチュア無線局としては1.9MHz~1200MHzまでが運用可能となっており 山小屋では移動局としての運用です。VHF,UHF帯については八木型・単一型・コリニア型で運用ですが 18MHz帯専用のアンテナを設置していませんでした。今回ツエップ型のアンテナに挑戦しました。正規のツェップアンテナはハイインピーダンス給電となりアンテナ同調回路が必要であり 無線機出力インピーダンス50Ωの同軸ケーブルで運用できるツエップ型のアンテナの工作です。運用する送信機の出力電力は100W前後として話を進めます。
市販品のツエップ型アンテナを購入するに サガ電子製であれば数万円の出費となり貧乏人では購入財力は持ち合わせません。
各種参考文献(CQ出版アンテナハンドブックなど)・インターネットなどでツエップ型の工作事例を探しましたが詳細については奥深く記載されていません。頭の痛いことです。

作成するLC共振回路の周波数が決まれば材料集めとなりますが 共振回路を作成するにまずは大まかな共振回路に使用するコンデンサー容量値を決定しなければなりません。今回作成する周波数では50pF以下になると思います。次に入手できる高耐圧のコンデンサー容量決定です。市販品では47pF,33pF,22pF,15pF,10pFの数値並びが販売されていると思います。このコンデンサー容量が確定すれば目的の周波数に同調するために コイルの直径、巻き数、スペース巻き、密着巻き、電線太さ などの構造要因によりインダクタンス値が変化します。最終的にはLのコイルのインダクタンスの調整で目的の周波数となるようにカット・アンド・トライの作業になると思います。

今回の工作において一番入手が困難と思われる部品はアンテナ同調回路の高耐圧コンデンサーの入手です。100pF以下の耐圧数KVのコンデンサーが簡単に入手できません。ツエップ型アンテナは電圧給電となりアンテナ共振回路についてはコイルは簡単に工作できますが高耐圧コンデンサーが見つかりません。であれば高耐圧マイカコンデンサーを今回工作しました。

この工作において必要な数種類の測定機器

1. ディップメーター
2. LCRメーター(インピーダンスブリッジ)
3. オシロスコープ
4. SWRメーター
5. 周波数カウンター
6. 無線機

などが必要と思います。キャパシタンスメーターについては(容量計)は簡単に工作できますので参考資料として多少の原理説明などを含め 後程記載します。よく説明に使用されるアンテナアナライザーなどの高級品は所有していません。最低限工作に必要な測定機器類と思います。


上記画像は今回作成した多種類のマイカコンデンサーです。300~500V 耐圧まででであればディプマイカコンデンサーとして市販品は入手することができます。耐圧 数KV のコンデンサーにについては 100pF 以下のものは多種類販売されていません。100W出力までの近代無線機ではほぼ電源電圧が 13.8V 以下で設計されています。内蔵アンテナチューナーなどは出力インピーダンスが 50Ω 仕様であり 高耐圧のコンデンサーは使用されていません。真空管式無線機では高耐圧の部品が使われていました。

なぜかというと無線機の出力インピーダンスが 50Ω の場合 100W 出力では 電圧は W=E・E/R より求めると 70.7V/rms となります。交流波形でのピークツーピーク(p-p)電圧は200V/p-p です。となれば同調回路のコンデンサーは 500V耐圧でも問題はないとなります。ところがツエップ型のアンテナの場合 仮にアンテナインピーダンスが 1KΩ として計算しなおします。電圧を求めると 318V/rms  となりp-p電圧は 890V です。コンデンサーが 500V耐圧 では規格オーバーとなり使えません。アンテナインピーダンスが 1KΩ より高くなれば高周波電圧もより高くなります。コンデンサーは直流電圧耐圧か交流電圧耐圧かを見極める必要があります。デップマイカの場合 500V/DC であれば直流電圧での耐圧です。400V/AC耐圧の場合は1KV/DC耐圧と同等と思います。

近代の無線機では出力段はトランジスター又 はFET プッシュプル回路で電力増幅しており メガネコアなどを使った高周波マッチングトランスを挿入し 出力段の低い出力インピーダンスを昇圧により 無線機出力インピーダンス 50Ω として製造されています。アンテナチューナーを使った場合は数10~数100Ωまでマッチングします。
検証 ほとんどの無線機での出力段はAB1級プッシュプル回路であり 電源電圧を13.8Vとすると出力段での正弦波出力は歪率を考慮し 9V/rms 前後と思います。出力が100Wとした場合は 出力インピーダンスは W=I・E の公式を展開すると R=E・E/W より R値・負荷インピーダンスは 約0.8Ω となり出力段の効率などの要因により消費電力は 無線機最大出力時約20A×13.8V=276W(その他の回路での消費電力も含む) ほどになります。この場合効率は約36%と思います。消費電力の残りはほとんど熱源となりますので放熱に考慮しなければなりません。そのために冷却ファンが取り付けられているはずです。出力段の低い出力インピーダンスをフェライトメガネ型高周波トランスなどで昇圧となり 50Ω となるように設計されています。
昔の無線機真空管式を考察すると 同等出力機の場合では 終段出力管 6146BパラレルAB1級の場合プレート電圧800Vとすると真空管の場合シングル動作であり 真空管から得られる交流信号は歪率を考慮し800V/p-p以下の高周波信号が得られます。負荷インピーダンスを求めると 100W出力の場合では 284V/rms の交流電圧で計算すると 負荷インピーダンスは800Ω前後です。無線機出力インピーダンス50Ωとするにはパイ(π)マッチ・タンクコイル回路でインピーダンス変換です。プレート負荷回路・同調コンデンサーは1KV耐圧250pF程度と負荷側同調回路は430pF3連バリコンでアンテナマッチング調整していました。負荷側バリコンは受信機用の汎用品です。負荷側での電圧は100V以下であり受信機用バリコンでも問題は発生しません。終段管入力電力は800V×250mA とすると 約200W入力電力で出力は100Wが得られていました。この場合熱源として100Wが出力段の真空管で消費し発熱していました。終段管効率は40~50%前後です。
これらの真空管無線機の場合 アンテナとの整合(SWR)が悪かった時には タンク回路のコイルで電力損失が発生しコイルが高温となります。ほとんどの機種ではタイトボビンににコイルを巻き付けられてていました。タイトボビン・コイルが変色していた場合整合の取れていない状態で長時間運用されていた証拠です。
近年電管に提出する申請書では終段管入力電力記載から終段管出力電力に変更となっています。いまだに IC・FET・トランジスターの出力段であっても名称は終段管と記載された個所に管名ではない半導体名称を記載しなければなりません。いまだに改善されていない古いお役所仕事です。最近変更申請において数少ないと思われる 終段管・真空管 6146B×2個 と陽極電圧800V,出力電力50W 第5送信機と記載し無線局免許は電管より発行され現在運用できる状態です。時々山小屋で真空管式無線機で交信しています。

現代の電力増幅出力段は真空管電力増幅回路とは異なり ドライブ段を含め各バンドごとの同調回路が挿入されていません。広帯域増幅段(リニヤアンプ)です。リニヤアンプ形式ではほとんどの場合アンテナチューナーなどを挿入し スプリアス軽減となるように設計されています。小型のYAESU FT-100 型機では出力段以降に同調回路が挿入されていませんので スプリアス規制に引っかかる無線機です。この場合外付けのアンテナチューナー・ローバスフィルターなどを挿入しなければ免許が下りないと思います。

市販品では小型の数KV耐圧ディスク型セラミックコンデンサーは入手できますが 電力を扱う回路での使用には疑問があります。L・C回路には必ず損失がつきものです。エネルギ-の損失は熱として現れます。HF帯大型八木アンテナで短縮コイルが焼損事故の話を耳にすることがあります。この現象は短縮コイルでのエネルギー損失によりコイルが発熱し焼き切れる現象です。この事故が発生するような高出力(KW)運用はしておりません。
昔から真空管回路でもマイカコンデンサーは無線機の電力増幅回路に多用されていました。パイマッチ同調回路のタンク回路には高耐圧エアーバリコンが使用されています。通常回路の同調用可変コンデンサーとしてタイトバリコンの耐圧は500Vまでがほとんどです。

長々とすみません。くだらない 余談・たわごと はこれまでとしますが 話は時々脱線します。ご勘弁ください。本題のツエップ型アンテナの工作に進みます。

ツエップ型アンテナ同調回路 周波数調整用タイトバリコンの改造


上記画像は500V耐圧のタイトバリコンを改造し高耐圧型に改良しました。ローター・ステーターの電極を半分抜き取り電極間隔を広げたバリコンであり100pFが20pFのバリコンに改造です。30pFが6pFのコンデンサーとなりました。今回工作したアンテナ同調回路には周波数を調節するのに必要な部品です。5pFまでの容量であればピストントリマーコンデンサーが最適な部品となります。このピストントリマーコンデンサーも新規工作しました。
他の文献などの工作事例として 3D-2Vなどの同軸ケーブルを小容量高耐圧コンデンサーとして周波数調整する場合がありますが 今回の形態は正規のコンデンサーとして工作です。

ツエップ型のアンテナ工作において電圧給電とするために無線機からの電波は50Ω同軸ケーブルでアンテナまで給電されます。アンテナエレメントに電圧給電とするには50Ωのインピーダンスをハイインピーダンスに変換しなければなりません。その変換回路がリンク結合による電磁誘導結合となります。2次側コイルに誘起した高周波電圧は2次側コイルとコンデンサーによる並列共振回路となり コイル・コンデンサーの両端に高電圧が発生し空中線に給電されます。そのためLC回路が共振するように コイルの巻き数又はコンデンサー容量を増減して目的の周波数に調整します。
(コイルとコンデンサーは並列接続です。交流信号源は電磁結合により2次側コイルに高周波エネルギーが誘起します。ゆえにコイルは交流信号源でありそのコイルの両端にコンデンサーが接続となるため 誘起した信号・コイル・コンデンサーが並列接続であるため共振回路は並列共振回路と判断できます)

並列共振回路の特徴 : 共振回路に交流電流を流すと共振周波数の時に電圧が極めて高くなる

このインピーダンス変換回路には数種類の工作事例を見つけ出せました。回路部品としてはコンデンサーとコイルだけなのですが よく観察すると理論的に同軸ケーブルがアンテナエレメントの一部となる方式も存在することも判明しました。SWR特性が悪化する要因ともなります。この現象を避けるため今回一次コイルと2次コイルが絶縁状態となる方式を採用しました。一次側がリンクコイルであり 2次側巻線は並列共振回路となります。共振回路に発生した高電圧が一端からアンテナに給電となります。コアレス絶縁型高周波トランス構造となり そのためアンテナ線と同軸ケーブル間は導通がありません。


今回18MHz帯と21MHz帯のツエップ型アンテナの工作で話を進めます。3.5MHz帯・7MHz帯であっても 同調周波数が異なりますが 基本構造は同様の工作作業となります。

同調コイルの工作

上図はツェップ型アンテナの心臓部である同調コイルの工作です。他の事例では絶縁物のパイプに巻きつけるかエアーダックスコイルを使った工作がほとんどです。しかし現在では空芯コイルのエアーダックスコイルの入手は困難です。今回工作した同調コイルはホームセンターなどでも入手できる銅線を使用しました。直径 2mm VVFケーブルを採用しました。通称2ミリのVA線です。外皮のビニール被覆をはがしました。1.6ミリか2.0ミリの単線は簡単に入手できると思います。
まずは空芯のコイルを作成します。コイルを巻くにベースの芯となるパイプは水道管 VE-20 を使いました。完成したコイル直径は 約25mm となり 空芯コイルでは振動や温度変化でコイルのインダクタンスが変化するため 蛇の目ユニバーサル基板にスペース巻きとなるように丸やすりで櫛のように溝を作りコイルのサポーターに使用しました。裏面の銅箔は除去してあります。基板にコイルを巻き付け接触部には2液混合エポキシ接着剤で固定すればコイルの完成です。
使用した銅線は直径も太く空芯コイルであり ビニールパイプなどに巻き付けたコイルと比較してコイルの Q (Quality Factor) も高いと思います。使用しているDELICA 1100型のインピーダンスブリッジではコイルのインダクタンスの値及びコイルのQも測定できます。又コンデンサーのキャパシタンスの値および損失係数Dの値も測定することができます。

完成した同調コイル


上図は完成した同調空芯コイルです。基板とコイル部はエポキシ樹脂接着する前の画像です。完成したコイルの巻き初めから 3t 程の位置でコイルを切断すると一次巻線・2次側巻線に分離された状態となります。残りが2次側コイルとなります。一次コイルには同軸接栓まで配線します。2次巻線は並列に同調用マイカコンデンサーが取り付きます。そしてコイルの一端からアンテナ線に接続します。接続する半波長のアンテナエレメントと2次巻線の同調回路は共に希望する周波数に同調するように調整が必要となります。共振回路は2か所存在します。
1. 2次巻線のLC共振周波数
2. 半波長アンテナエレメントの共振周波数
上記2か所の共振回路をディプメーターなどを使い あらかじめ目的周波数に調整します。

次に必要な部品は同調用コンデンサーの工作です。

今回マイカコンデンサーを工作しましたが 現物のマイカコンデンサーを分解し内部構造を確認しました。

分解したマイカコンデンサーの構造


 上図が今回分解したマイカコンデンサーです。現物の規格は 500pF 500VDC耐圧のマイカコンデンサーです。たぶん50年以上前に製造されたものと思います。当時シルバードマイカコンデンサーもありましたがマイカ板に電極が蒸着したシルバードマイカではありません。構造はマイカシートに錫箔をサンドイッチ状に重ねて両端に電極として取り出し樹脂で封止してありました。
今回工作したマイカコンデンサーの構造も上記なような構造で工作しました。

マイカコンデンサー工作に必要な材料


上図は今回工作したマイカコンデンサーの部品です。マイカシートと電極に使用する0.2tの銅板です。マイカシートの寸法は 20×25×0.12t と0.09t のマイカシートを中国から輸入しました。数量は各シート200枚程度で購入金額は送料込み千円強の出費です。

コンデンサーの基本的なお話

コンデンサーは日本語では蓄電器といいます。コイルは線輪でした。可変コンデンサーといえばラジオの同調回路に使われていた部品に通称バリコンがありますが このコンデンサーは電極の絶縁体が空気ですのでエアーバリコンと呼ばれます。リニヤアンプなどに使われている高耐圧のバリコンに真空(バキューム)バリコンもあります。真空状態のコンデンサーの絶縁物は真空であり誘電体として取り扱われ誘電率は1の値です。空気の誘電率は約1です。コンデンサーの容量値は電極面積Sに比例し電極間距離dに反比例でしたね。電極間の絶縁物により誘電率は変わりますが  極間の絶縁物(誘電体)がマイカ(雲母)の場合は5.7~7.0の値であり 同じ容量値の場合 誘電体が空気の場合約1ですのでマイカ(雲母)の場合は誘電率が高いため(約6とすると)面積比率で考えれば小型になります。今回使用したマイカシートは天然の雲母板ではなく人造雲母板です。

コンデンサーの公式 Q = CV  Q : 電荷( C : クーロン)   C : 静電容量( F : ファラッド)  V : 電圧( V : ボルト)
平行平板コンデンサー静電容量 C = ε×S/d  ( F :ファラッド)   ε : 誘電率  S : m2, 電極面積  d : m, 電極間距離
               ε(誘電率) = εo × εr    εo(真空の誘電率) : 8.85×10-12(F/m) εr : 比誘電率 

電極として使用される金属類
アルミニューム・錫・銅・銀などの導体物質である金属が多用されます。昔からあるコンデンサーでは絶縁シート(紙など)に金属(アルミ)箔を巻いた構造が主流でしたが 近年ではプラスチックフィルムに金属を蒸着したものが多用されます。古くは金属化紙 MP コンと呼ばれたメタルライズドペーパーコンデンサーでした。プラスチックフィルムに金属を蒸着した MF 型が主流となっています。現在でも高周波回路にはセラミック(磁器)・マイカ(雲母)コンデンサーは高周波特性が良好であるため多用されます。ペーパーコンデンサー・オイルコンなどは近年見かけません。

コンデンサー両極板間に多用される絶縁物である各誘電体での誘電率の違い

真空  1.0         空気  1.000586 (ほぼ1として計算します)
スチロール樹脂  2.4~2.8  テフロン(4F)  2.0
ポリエチレン   2.3~2.4  ポリプロピレン  2.0~2.3 
紙   2.0~2.5       エボナイト  2.5~2.9
ガラス 3.7~10       ベークライト  4.5~5.5
磁器  6~7        ポリカーボネイト  2.9~3.0
ポリスチロール  2.0~2.6  ポリスチレン  2.3~2.4
雲母(マイカ)  5.7~7    チタン酸バリウム 1200

上記がコンデンサーに使われる誘電体の各誘電率を記載しました。歴史的に一番古いと思われるコンデンサーは ガラス瓶(誘電体)と鉛(電極)を使ったライデン瓶と思います。誘電体の種類により各コンデンサーの呼び方が異なります。古くはペーパーコンデンサーなどで誘電体は紙が使われています。フイルム系のコンデンサーでの誘電体も数多くあります。近年電子回路のコンデンサーの種類としては小型にできるチタン酸バリウム系コンデンサーが主流となっています。通称チタバリとかチタコンと呼ばれています。特に各回路の高周波バイパスコンデンサーとしてチップ形態で多数使用される部品です。他に大容量のコンデンサーとしてアルミ電解コンデンサー・OSコン等が存在しますが高周波用途でないため除外します。

マイカコンデンサーの工作


上図が今回工作したマイカコンデンサーの内部構造部品類です。当初誘電体であるマイカシートは電力増幅大型トランジスターなどの放熱板に取り付けるための絶縁物用途として使用されていたマイカシートを使用しましたが マイカシートにTR固定用ビス穴が存在し大きめの電極工作には不向きでした。今回電子部品を検索した結果 中国で多量のマイカシートが販売されていることが判明し 国際郵便で送付されてきた厚さの異なる2種類のマイカシートです。マイカシートの厚みが薄いほどコンデンサー容量値は増大します。
電極として 0.2t の銅板を加工しました。当初銅箔で工作もしましたが今回扱う箇所は高周波100W程度の電力を扱う同調回路であるためコンデンサーでの損失係数・D(Dissipation factor)による発熱などを考慮し 誘電体はマイカシート 電極は銅板 を選択しました。電極としては エアーバリコンなどの電極によく使われるアルミ板も加工は簡単ですが リード線などの導線を接続する場合半田付けができないため却下。電極材料として半田付けができる真鍮板でもよいと思います。
バリコンの極板として銅・真鍮・リン青銅板に銀メッキしたものが見受けられます。長年使っていると銀色が黒くなっているものがあります。特に高周波を扱う箇所の部品には導電率のよい銀(Ag)が昔から多用されました。金メッキ(Au)と異なり空気中の酸素により銀は酸化され黒色の酸化銀に変化します。改良したタイトバリコンも購入当初は銀色でしたが部分的に黒くなっている箇所が酸化銀膜です。

コンデンサー極板の加工

まずは銅板を準備します。ホームセンターなどでも銅板は見つけ出せますが種類は多くありません。今回採用した銅板は携帯電話基地局に使用していた10D特殊同軸ケーブルの外皮です。蛇腹状の円筒を平板に加工し電極としました。電源トランスの磁気シールド用銅板を加工してもよいと思います。銅板は金切挟みで切断加工します。
銅板を2つ折り状態でU字型の電極と1枚板の電極に加工します。容量値を大きくする場合はU字型電極を交互に付き合わせます。その電極間の誘電体としてマイカシートで挟みこめば電極の完成です。今回電極長さは17mm×10mm程度の電極とすれば両電極間間隔は3mm程の間隔が取れますので数KV耐圧といえます。
よく言われる事柄に1000Vの電位差であれば1mmの間隔があれば火花放電するといわれます。コンデンサーの故障として誘電体にピンホールなどがあれば火花放電が発生すると思います。そのためにコンデンサーの電極間での空中放電防止のために絶縁物で放電防止策とするわけです。
特に今回採用したマイカシートは絶縁特性もよく 数100度の高温に耐えることができる優秀な誘電体であるわけです。誘電体がフイルム・紙などの場合 火花放電などで火災事故の事例もあります。特に電力を扱う箇所では考慮しなければなりません。

完成した電極は電極を圧接するために マイカシートと同じ寸法のガラスエポキシ基板により直径2mmのビス・ナットで2か所固定すればマイカコンデンサーの完成です。
完成後電極の封止としてエポキシ樹脂もしくはシリコンKE-45などで密閉すればよいと思います。コンデンサーの極板が銅であり高温多湿の環境下では 銅板が酸化することも考えられますので保護策として密閉します。

目的のコンデンサー容量値とするには 電極面積を変化することにより容量値は可変できます。その容量値を変化させるためには組み立て時 電極面積を変化させれば目的の容量値に調整することが可能です。そのため1mm違いで異なる幅の電極を工作し電極を選択することにより目的容量値より多少多めの値に設定します。微調整として各電極間面積を変化させて組み立てれば希望の値として工作することができます。電極面積を変化するには電極を左右にずらして組み立てることです。ずらすことにより極板面積が小さくなり容量値は小さくなります。
電極工作においてU字電極の場合名刺3枚分の厚さ名刺を挟んで極版曲げ加工すればマイカシートと対電極を挟むだけのスペースが得られます。平板電極はリード線をハンダ付けする箇所は折り曲げ加工によりマイカシートに接触させれば電極を固定するトッパーとなります。

ピストントリマーコンデンサーの工作

目的の周波数に調整するには同調回路の Lインダクタンスの増減か Cキャパシタンスの増減により目的の同調周波数に調整します。コイルであれば巻き数を可変します。コンデンサーの場合可変コンデンサー(バリコン)を使えば簡単なのですが 耐圧の問題もあり目的周波数近くまでのコンデンサー容量値とするのが賢明です。今回目的の周波数とするため固定容量値マイカコンデンサーを決定し 微調整用途としてピストントリマーコンデンサーを工作しました。


上図か今回工作したピストントリマーコンデンサーであり最大容量値は 5pF です。円筒はテフロン同軸ケーブルの外皮を使いました。電極は銅箔を巻いて工作です。可動する電極は2mm真鍮製ねじの先端に銅箔を円筒形にした電極です。容量値の微調整はねじで可変することができ容量値として 0.5pF~5pFまで可変することのできるコンデンサーです。このピストントリマーコンデンサーをマイカコンデンサーに並列接続として目的の同調周波数とします。その場合今回作成したマイカコンデンサーの容量値調整で目的の周波数に合わせるとしました。コイルの巻き数を変化させるかコンデンサーの容量値を変えるかが一番厄介なクリチカルな今回の調整作業です。


上図はピストントリマコンデンサーの材料です。テフロンチューブの誘電率は2.0ほどであり当初ヒューズのガラス管を工作としましたが 電極間距離が問題となりテフロンチューブに比較して目的容量値まで可変できるコンデンサーとはなりませんでした。工作失敗です。購入したくても近年ピストントリマーコンデンサーの新品はあまり見かけません。通常簡単に入手できるトリマーコンデンサーは500V耐圧以下でありこの同調回路のコンデンサーとしては耐圧不足で採用することができません。近年集積度が上がり部品の小型化に伴い耐圧は50V以下が多数です。
今回他の文献でよく使われる 同軸ケーブル代用・小容量コンデンサー は使いません。工作した微調整用トリマーコンデンサーを採用です。

工作したマイカコンデンサーの容量測定および容量値の微調整


上図は完成したマイカコンデンサー容量値の測定です。使用した測定器は DELICA MODEL 1100型 であり骨董品に属する三田無線研究所製 インピーダンスブリッジ です。現代ではデジタルLCRメーターとして1万円未満で購入可能な機種も存在します。これらの測定機器がないと作成したマイカコンデンサーの容量値を確認することができません。巻末には自作品のキャパシタンスメーターを記載します。上図の測定結果は 60pF です。

次の項目は共振回路であるLC回路を目的の周波数に調整作業です。

共振周波数を求める公式は f = 1/2π√LC  でした。

今回作成する同調周波数は18MHz帯と21MHz帯です。ここでSWR特性を最良とするため運用する周波数を確定しなければなりません。18MHz帯は 18.34MHz と21MHz帯は 21.20MHz としました。この周波数での運用が一番良いSWR特性に調整します。
バンド幅全体にSWR特性を1.0に近ずけるにはこの共振回路の同調とアンテナ長さを調整すれば良いのですが高所では簡単に調整できません。よく使用する周波数で最良となるように調整します。

目的の同調周波数とするには現在同調している L・C回路 の周波数確認用の測定器が必要となります。アマチュア無線では古くから測定器としてよく使用されるハンディータイプの乾電池で動作する測定器です。


上図は通称グリッドディップメーターと呼ばれます。これまた骨董品と思われる DELICA TRANSDIPPER WB-200 型 です。真空管は使用されておらず 真空管の代わりに FET 2SK19 が使われたディップメーターです。ただこの機種は正確な周波数を表示できません。そのために周波数カウンターでもって目的の周波数を校正します。


デップメーターの目盛です。18MH帯21MHz帯であれば プラグインコイルはDを使用し目盛板はDのスケールで読み取ります。このディップメーターでの測定周波数幅は 18MHz~70MHz の目盛で測定し共振周波数を測定します。


上図は同調周波数の測定です。デップメーターの目盛板では正確な周波数を表示できません。デップメーターの測定用プラグインコイルとリンクコイルによる結合としてデップメーターの発振している周波数を測定します。周波数カウンターであれは1KHz以下まで追いこめますが ディプメーターの目盛だけであれば目盛の精度により数100KHz誤差までしか同調周波数を追いこめません。後期製造品デップメーターに周波数カウンター機能を搭載している機種であればこのようなキャリブレーション作業の必要はありません。

調整用として工作した各種容量値のマイカコンデンサーとピストントリマーコンデンサー


上図は今回作成したツエップ型アンテナの同調用コンデンサー用途として各種容量値のマイカコンデンサーです。工作したキャパシタンス測定器を使い精密に調整しました。両電極板長さの微調整です。又容量により両電極幅も変化させます。工作したコンデンサーの容量値誤差は±数%以内になっていると思います。各種類容量値のコンデンサーを工作してDATAを取ると大まかな容量値を作成するのに両電極寸法が判明します。容量値表示下部に表記している数値は電極板の 縦・横 の寸法です。左はU字電極で右側が平板電極の寸法です。電極板の長辺長さを短くすることにより両極間の距離が隔たり耐電圧が高くなります。長辺が15mmであればマイカシート寸法20mmであるため対極との距離は5mmとなり大まかですが耐圧は5KV程度と思います。
作成した容量値では上図右側の新規工作したピストントリマーコンデンサー(0.5pF~5pF)を並列接続すれば 28pF~55pF までの連続した容量値が設定できます。L・C カットアンドトライの作業が簡単になります。

又耐圧を上げるには電極間のマイカシート数を増やせば耐電圧は高くなります。この場合電極間距離が大きくなるため 同じ極板面積とした場合 完成したコンデンサーの容量値は小さくなります。同じ容量値とするには電極面積を大きくしなければ同じ容量値となりません。

今回工作したツエップ型アンテナの同調コンデンサーでは 無線機出力が100W未満の場合 2~3KV/DC耐圧品であれば実用になると思います。KW出力の場合は耐圧不足と思います。数10KV耐圧バキュームコンデンサー・高耐圧円盤型チタコンなどを使わなければならないと思います。とある無線家では同調コイルに 銅管を加工している方も存在します。


各種ツエップ型アンテナ同調回路と50Ω同軸ケーブルとの給電方法



上図は参考文献・インターネットでの投稿から得られたツェップ型アンテナの同調回路と給電方法です。LC共振回路から 1/2λ のアンテナエレメントに給電する回路図を記載しました。個人的な見解ですが一長一短あるように思います。アンテナインピーダンスが5KΩとして疑似負荷を取り付けて実験している文献も見かけました。特に FIG・A,FIG・B の給電方法であれば不平衡型給電線である同軸ケーブルがアンテナエレメントとして動作する様な構造と思います。FIG・Cの場合単巻きトランスの構造で一種のインピーダンス変換回路と解釈します。FIG・Eの場合は共振回路の逆位相の電圧が同軸ケーブルの外皮がアンテナエレメントとなりえます。
各給電方法などを考慮し今回給電方法及び共振回路が分離した接続方法で工作しました。結線図は FIG・D を採用です。
上図では交流信号源 無線機出力インピーダンスは50Ωとします。給電線は50Ω同軸ケーブルを使用とします。

後は防水ケース内にコイルコンデンサーを収納しアンテナ線に接続する電線は数10cmの引き出し線を取り付ければ完成です。
今回防水ケースに採用した部品として VP-40 TSキャップとVU-40 の塩ビパイプです。同軸コネクターはM接栓ではなく アマチュア無線ではあまり使われないN接栓で工作しました。無線機からアンテナまでは8D-SFAの低損失同軸ケーブルで配線してあります。防水ケースの加工等の詳細については musenan17.blogsport.com を参考としてください。

同調周波数測定用リンクコイル N接栓仕様


上記治具はシャック引き込み同軸ケーブル末端及び 完成したアンテナ給電部単体での共振周波数を調整するためのN接栓プラグおよびジャックにデップメーターと結合するためのリンクコイルです。
大まかに調整が出来たら実際に無線機を接続し SWRメーターで最良点に調整します。調整箇所はアンテナエレメントの長さ、共振回路のトリマーコンデンサーを調整し最良点を探ります。アンテナ部調整箇所は2か所です。

あまり18MHz・21MHz帯は運用しないのですが 夏場電波伝搬状態のよいときには 暇つぶしでタヌキワッチをします。極まれですが懐かしい無線局が電波を出していれば声掛けしたいと思い 今回まともに送信できるようにシングルバンドアンテナを工作しました。以前はアンテナチューナーなどで無理やりアンテナの同調を取り 見かけ上のSWRを下げての運用でした。山小屋のシャックでは室内に 8D-SFA,特殊10Dなど同軸ケーブルは10数本引き込んでいます。接地線は22SQIV線でシャックまで引き込み 接地抵抗は数Ωまで落としてあります。1.5mの連結式接地棒を複数本並列接続としてあります。1m角の接地銅板は埋設箇所にもよりますが接地抵抗は複数本の接地棒埋設のほうが接地抵抗が下がりました。地中での接地棒間電線は40SQ鬼より線がラジアルアース効果で接地極ともなっているようです。この接地棒は電動ハンマー工具で地中に打ち込みます。地質にもよりますが抵抗値が下がらない場合は2本連結では3mも地中に打ち込みます。
ほとんどのHFアンテナはダイポール型であり接地型アンテナと異なり 無線設備ではここまで接地抵抗を下げる必要はありません。A種接地、昔は第一種接地と表現されましたが10Ω以下の接地抵抗に仕上げています。又15m高さの鋼管柱先端には2か所避雷針を施工してあります。運用においてほとんどの場合無人の山小屋ですので 落雷・誘導雷事故も回避しなければなりません。緊急時自宅から山小屋までは高速道路を使い1時間強かかります。山小屋近く谷を隔てた数百m離れている民家に落雷事故も現実に発生しています。

このようにアマチュア無線の道楽を続けるには様々な課題もあり問題を解決しなければ長期間運用できません。参考まで。

まとめ

初めてツエップ型アンテナ工作にチャレンジしました。ラジオ少年時代は小遣い銭も乏しくガラクタを集めてST管ラジオを工作した時代が昨日のように思い出します。当時のコンデンサーといえばペーパーコンデンサーが主流の時代です。まさか現代にコンデンサーを工作しなければならないとは !  

半世紀以上となれば当時のラジオ少年も年を取りました。しかし道楽作業ではいまだにラジオ少年継続です。近年製造品スプリアス規制をクリアした無線機を購入したいのですが 懐具合により我が家の大蔵省に折衝しますが答はいつも却下です。もっばにガラクタ無線機を自己メンテしながらの運用です。アマチュア無線の道楽も開局後50数年経過し YAESU FT-101 シリーズは運用にも支障が出ています。数年前に12B-Y7Aと6J-S6Cとのカップリングコンデンサー 80PF/1KV マイカコンデンサーから煙が出ました。代用部品を探しましたがなかなか見つかりません。今回作成したマイカコンデンサーを使えば修復可能であるのですが ! 肝心の終段管東芝製 6J-S6Cが保守をするに入手できません。YAESU 101 シリーズは各機種所有していますが 無線局の送信機としては登録してありません。部品抜き取り用としてジャンク品を多数台購入しましたが そのジャンク品も実働するようになり同じような無線機が増殖しました。自己満足の動態保存品のお飾り状態です。手持の真空管 6J-S6C が在庫数 0本となってしまいました。FT-101ZD機用 としては USA軍用管 6146W は 6本保守管として保管しています。
現在のアマチュア無線局運用は隠れ山小屋がメインです。モービル運用はハンディー機 C710本体のみであり 車載用アンテナ・ブースターアンプはお蔵入り状態です。道楽で古い機械類をレストアするのが楽しみとなっています。ホンダ・スーパーカブ C-70型 製造後40年ほどの単車は電装品のLEDランプ・ウインカー・蓄電池など電子化とし改造。いまだに支障もなく山小屋周辺で現役です。

昔はアルミ弁当箱型シャーシーで多数工作しましたが やはりメーカー製機器に比較すると見劣ります。ところがメーカー製造後50年近くなる真空管システムであっても故障個所の修復により当時の初期性能に取り戻すことが現在のお遊となりました。ところが故障個所をよく見ると当時使っていた部品が入手できず部品レベルまで工作しないと修復できない機器も多数発生します。
おかげさまで修復するための測定機器類も増殖しました。収集した測定機器類も故障はします。如何に測定器の精度を維持,確保するか ! 自前作業です。
山小屋ではスプリアス規制をクリアした無線機で運用です。その一部が下記画像の無線機です。


上記画像は YAESU FT-101ZD です。製造後40年近くなると思います。終段管は GE 6146B パラレル接続です。2018年1月 電管より移動する無線局 空中線電力50Wとして免許を得ることができました。このようなガラクタ無線機でも現在運用が可能となっています。しかしVFOは外付けDDS制御デジタルVFOでの運用です。内蔵LC発振VFOは周波数変動も多く使い物になりません。工事設計書にはDDS制御外部VFOとして記載してあります。無線機の周波数変動は通電後30分程では数10Hz以内の変動に収まっています。時間経過に伴うDDS制御VFOの周波数変動はほとんど発生しません。プリミックス用水晶振動子での周波数変動が周波数変動の原因と思います。プリミックス回路の水晶振動子はバンドごとに異なる周波数の水晶でなりたっています。その水晶振動子は各バンドの設計基準値から微妙に周波数がずれています。その違いが外部VFOの精度が上がったため目立つようになりました。現在販売されているデジタル制御無線機器と比較するとこの機種が製造された時代のスペックは良いとは思えません。しかし当時では交信に問題は発生しませんでした。運用している各局も同じスペックの無線機器です。周波数変動対策として送信周波数と受信周波数がずれた場合 RIT機能が存在し活躍しました。マイコン制御で飛躍的に無線機器においても性能は向上しました。若者の必需品スマホなどのデジタル機器の寿命は2年余りで買い替えです。アマチュア無線機はどうでしょうか ? 製造後40年も経過すれば故障も発生します。その都度対応してきました。その反面デジタル制御無線機では現代の車と同様で故障しても自力で修理できますでしょうか ? 手が出せますか ? メーカー修理依頼 ? メーカー修理受付拒否 ?  現役でこのような終段管が真空管式無線機で運用されているアマチュア局は数少ないと思います。

あくまでもラジオ少年の継続であり デジタル制御が主流の時代ですが アマチュア精神を忘れずに 衰退状態にあるアマチュア無線の 道楽・趣味 の領域を楽しみましょう。

レポートとQSLカード交換の交信には参加したくありません。アマチュア無線においても様々な楽しみ方が存在します。その楽しみの中には 専らDXの外国との通信、CWのみの運用、QSLカード・アワードの収集、道の駅移動運用、U,VHF帯のみのモービル、グループ通信等 それぞれ違った楽しみ方で遊んでいるようです。特に因業爺さん達の自慢話、グループ交信が目立ちます。10分以上しゃべりっぱなし ! ! ! 次々とよく話のネタも切れずしゃべれますね ? エンドレステープでしょうか ?  感心させられます。会話にはついていけません。割り込みする勇気もありません。

当局は ご近所・井戸端会議が主な運用です。無線局仲間の言葉としては 国内ローカル・ラグチュウと呼ばれる交信です。ガラクタ収集 ? 骨董的な無線機器でも正常に運用できるように維持および 微細な改造するのも道楽作業における楽しみ方です。周辺機器の工作はもちろん 時には現代のデジタル技術も取り入れ工作・改造もします。おかげさまで自宅はジャンク部品を含め部品棚は小物・真空管を含め整理するのが大変です。骨董的な測定機器類も数多く収集し その測定機器類も時々暇つぶしの自己校正作業で何とか精度を維持しています。時には校正用基準器も工作します。同じアマチュア無線家でも楽しみ方は各個人異なる楽しみ方です。
数少ない同類項の中には ベロシティーマイクまで自作し 無線機・アンテナ・リニヤアンプも含め ALL自作派で楽しむ無線局も存在します。


無銭庵 仙人 の独り言

所有している DELICA 1100型インピーダンス・ブリッジ の内部構造を解析しました。内部はホーイストンブリッジを使った測定器であり比較的簡単な回路構成ですが結構精度がある測定器です。製造当時±1%誤差以内の精度を持った精密級測定器です。世間ではあまり見かけることはありません。現在であれば精度のスペックは不明ですが ! ! 測定器としてデジタルLCRメーターは一万円以下で入手はできると思います。この測定器は製造後50年近くなる博物館行き測定器かもしれません。内部を見ると量産機ではなく手作り品と思います。


上図はインピーダンスブリッジに取扱説明書に添付されていた回路図です。動作原理などについては別ブログ  musenan03.blogsport.com  を参考としてください。測定方法などを説明しています。


今回工作したキャパシタンス測定用インピーダンスブリッジの簡易測定器です。使用されている部品点数は多くありません。
CRLTボリューム   巻線型東京コスモスRA30Y型 100Ω 1KΩ
D調整用ボリューム  巻線型東京コスモスRA30Y型 100Ω
基準コンデンサー  1μF(105) MF型/250WV
倍率用基準抵抗器  1MΩ(105) 1%誤差 1/2W
小物部品等  陸軍端子、なるべく大型VRつまみ3個、その他コネクター・シャーシーなど
ほとんどの部品はジャンク箱からの流用品です。シャーシーは50W型スイッチング電源のフレームです。今回新規購入品は 1KΩ 巻線型VR1個だけです。購入単価は800円ほどで入手できると思います。近年電子パーツ屋の数が減少し交通費を考えると通販のほうが安価になると思います。東京秋葉原・名古屋大須アメ横・大阪日本橋 ですがジャンク屋が激減しました。主流はパソコン屋・ゲーム屋・オタク族の聖地となったようです。運賃は3000円以上であれば送料無料であったため すぐには必要のない部品まで購入してしまいました。またもや部品棚の肥やしとなりそうです。近年の若者とは異なり 物を捨てられない人種です。
真空管アンプ工作によく利用していた 秋葉原ノグチトランス販売も 2018年秋 に廃業です。寂しい時代とは思いませんか ? 真空管と遊ぶのも難しくなってきました。


上図は L・C 測定における交流信号源インピーダンスブリッジ回路の基本回路です。この回路図はDELICA 1100 型器の取扱説明書に記載されていた動作原理図から起こしました。詳しくはホーイストンブリッジなどを説明している教科書などを参考としてください。
ひし形に回路網がなりたっています。対辺の積が同じとなればブリッジ回路が平衡状態となり A・B 間には電流が流れなくなり平衡状態です。これがインピーダンスブリッジの基本回路です。
ZX (端子A・D) は測定する未知のコンデンサーを接続する端子です。
ZN (端子C・B) は可変抵抗器で測定結果を表示する目盛板が取り付けられています。VRの抵抗値は巻線型 1100Ω です。
ZB (端子B・D) は交流1000HZにおける基準交流インピーダンスの部品であり 1μF のコンデンサーです。今回測定するコンデンサーの品位D値を測定するための可変抵抗器160Ωが直列に接続します。可変抵抗器にはDの数値を記載した目盛板が取り付きます。
ZA (端子A:C) は測定するレンジの倍率を決定する比較基準抵抗器です。今回最大測定容量値を 1000PF とするため1MΩ ±1%の精密抵抗器です。
AB端子間にはオシロスコープを接続し1000Hzの正弦波波形を観測します。平衡が取れた場合この端子には正弦波信号が出力されません。接続コネクターはBNCです。
CD端子間には 正弦波1000Hzの交流信号を入力します。別工作CR発振器より入力。


上図は今回工作した簡易インピーダンスブリッジの内部構造です。使用している可変抵抗器は通則用密閉型巻線型可変抵抗器です。東京コスモス製 RA30Y タイプを採用しました。VRの抵抗値はCRLT用として100Ωと1KΩを直列接続とします。特に小容量(100pF以下)のコンデンサーを精密測定を目的としているため100Ωの可変抵抗器はスプレッド特性としました。この状態で1000pF以下のコンデンサー容量値が精密測定することができます。コンデンサーの良し悪しを表すD値を測定するための可変抵抗器100Ωと1μFの基準コンデンサーとが直列に接続します。測定するコンデンサーは赤色と黒色の陸軍端子に接続します。
今回工作したキャパシタンスメーターは Comparison Bridge 回路で測定します。コンデンサー容量値測定においては低損失のコンデンサー(Dの値が0.1以下)での回路であり 高損失容量(電解コンデンサーなど)の測定回路は異なる回路となります。

測定上の注意事項

このインピーダンスブリッジの構造上 1μF のコンデンサーに100Ωの可変抵抗器が直列接続されています。今回作成したマイカコンデンサーについてはほとんど100Ωの可変抵抗器はショート状態(D値が零に近いコンデンサーの測定)でブリッジ回路のバランスが取れますが 特性のよくないペーパーコンデンサーなどでは Dの値が大きくこのD値調整用の可変抵抗器とCRLT用可変抵抗器を交互に調整し オシロスコープで観察できる1000Hz正弦波波形が一番小さくなるように調整しないと正確な容量値の測定はできません。



上図はホーイストンブリッジ(Wheatatone Bridge)回路に接続する 1000Hz±3Hz 正弦波発振器です。デュアルオペアンプICを2個使った発振器です。DELICA 1100 型ではゲルマニュームトランジスターを使った1000Hz発振回路信号を小さな低周波トランスで接続となっています。簡易型測定器ではICを使った発振器を工作します。1000Hz正弦波信号の出力インピーダンスは1KΩ以下と思います。使用しているICは発振回路部にNJM072, 正弦波増幅部には同じくデュアルオペアンプ NJM4580D を使用。ICホロワ回路により 約6.3V/rms,THD 0.01% の低歪率正弦波信号をインピーダンスブリッジに供給します。発振回路・増幅部は±12Vデュアル電源で動作します。このCR発振器については別ブログ musenan11.blogsport.com を参考としてください。工作される場合は回路図なども記載してあります。
測定器後部にBNCコネクターが2組取り付けられています。このBNC端子には1000Hz正弦波を入力する端子と オシロスコープに接続する信号出力端子です。1000Hz BNC入力端子はシャーシーからフローティングされた状態です。回路図を見れば判明することですが ! !
1000Hz 正弦波が出力できるオーディオジェネレーターなどの代用も可能です。出力電圧として10V/rms 以下程度です。

CRLT用可変抵抗器(1KΩ,100Ω)には大きなつまみを取り付け目盛板を作成します。100Ω側はスプレッド用で100pF以下の測定用です。その場合1KΩの可変抵抗器は短絡状態で使用します。目盛板の校正は各種ディプマイカコンデンサーで目盛を記入します。所有しているコンデンサーはほとんど±5%規格品ですが±2%以下もあり極力誤差の少ないコンデンサーで目盛板に容量値を記入します。つまみなどの部品はほとんどジャンクボックスからの寄せ集め品で工作しました。
100pF~1000pFまでの測定では100Ωの可変抵抗器は抵抗値を最大値で固定し1KΩの可変抵抗器で目盛板の校正をします。
この簡易型では測定容量値が1000pFまでですが 測定する容量値を変更するには1MΩの基準抵抗器を100KΩにすれば0.01μF以下のコンデンサーの容量値が同じ目盛で測定できます。10KΩでは 0.1μF以下の容量値測定です。
同じような回路構成でインダクタンス値も測定可能ですが キャパシタンス専用として工作しました。

工作したキャパシタンスメーターを使って手持ち品のマイカコンデンサー・セラミックコンデンサー等を精密測定しましたが同じ容量値であっても同じ指示位置とはなりません。結構容量値はばらつきがあることが判明します。100pFのコンデンサーの手持数が多く測定値をプロットしましたが最大20%誤差品も存在します。
数値目盛を校正する場合 やはり ±1%誤差 のコンデンサーなどを入手しなければ精度は確保できないと思います。抵抗器の場合は比較的簡単に1%誤差以内品は入手できます。

DELICA 1100 インピーダンスブリッジでは検流計の針の振れで測定しますが 工作した簡易型ブリッジでは平衡状態を確認するのにオシロスコープを使用します。そのため1000Hz増幅回路及び検流計動作に必要な正弦波整流回路の必要はありません。ブリッジ回路の正弦波信号をオシロ波形観測するため必要ありません。20MHz特性までのブラウン管式2現象オシロスコープであれば機能的に問題はありません。波形の電圧・時間軸の測定ではありません。波形観測のみです。同等のオシロであれば現在数千円程度で中古品は入手できると思います。10対1の専用プローブを使って測定しなくとも両端がBNC端子の同軸ケーブルでも十分に実用となります。300MHzの横河製 DL 2140B 4-cH デジタルオシロも所有していますがそこまでの性能の必要はありません。波形観測は1000Hzの正弦波波形です。垂直感度は100mV/DIVもあれば十分です。


参考  波形観測用 5吋ブラウン管式 2現象オシロスコープ 菊水 COS 5020 20MHz



ここまで閲覧された方に感謝します。 多少とも参考となればと思い記載です。主な目的は道楽・趣味における作業の忘備録として一般的な凡人が作成しました。

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投稿者  無銭庵 仙人 

by musenan sennin